ワールドレコード

▼最近、個人でも仕事を受けているのだけど、自分至上最大のライター仕事をいただいた。二つ返事で「やります!」と答えたものの、だんだん不安な気持ちも心に同居し始めている。まあでも、こうやって機会を与えてくださった方へも自分のためにも頑張ってやり切るよ。告知は今年の秋にはできるかも。楽しい知らせをしばしお待ちくださいな。

▼ライター仕事は、大学時代からやっていた。たしか20歳ぐらいからかな。とあるネットサイトでのライブレポートからスタート。本当に大好きで大好きでたまらないバンドのライブレポート。今でも仲良くさせてもらっている先輩から「やってみないか?」って声かけてもらったことがきっかけだった。普段はお酒を飲みつつ、好きな音楽に体を揺らすだけで良かったのに、その時は演者から発せられる言葉を一字一句漏らさぬようにメモ帳にガリガリ書き留めて、近くにいる友人に話しかけられても全然受け答えもしないで(今思えば、相当素っ気なかったなあ。ごめんねその時の友人よ)、ずっと集中。生まれて初めて署名付きで原稿が掲載されたことも、やりたいことでお金を稼いだことも、心から嬉しかったっけ。今でもこのライターや編集の仕事を好きで続けているのも、あの時の喜びがあったからのような気がしてる。声をかけてくれたK下さん覚えてるかな。本当にあの節はありがとうございました。

▼そうやって始まったキャリアだったが、署名付きで原稿を掲載することでバッシングも日々増えていった。上にあげた先輩とは別の、とある先輩からは、指導と称して個別に呼び出されて「こんな文章しか書けないの?ライター向いてないから、いますぐやめたほうがいいよ」って面と向かって言われたこともある。確か22歳の時だったかな。今でも忘れないよ、渋谷ニトリタワーレコードのそばにあるドトールで。まあ今思えば、ろくに「てにをは」も使えてないし、言葉の用法を間違えて勢いで使ってたこともあった。(今でも間違えることがある)(それを生業にしてるのに間違っちゃダメだろってツッコミは置いといてね、あはは)だから、そりゃあ指摘されてもしょうがないと思う部分もある。でもさ、人間性の否定やキャリアを断つように促すのはよくないよ。

▼お粗末な人生を送っている私でも、歳を重ねたことをきっかけに年下の方にいろいろとアドバイスをさせていただく機会がある。その時に必ず心がけていることは「価値観の強制」「批判と否定の違いに気をつける」この2点だ。そもそもやる気がないなら話は別だけど、意欲的に手を動かしているんだから、そこを受け入れた上でどう教育していくか考えないと。はっきり言って一人の人間と向き合う余裕のない人が指導するのは、絶対にやめたほうがいいんじゃないかな。指導って人の人生を背負うことになるんだから、小手先でやらないほうがいいし、それでやった気になってるようじゃ、全く意味がないと思うから。まあ過去に私も人への指導の仕方で失敗したなあって思うことがあるから、あんまり人様のことを言えた身分じゃないけどね。

▼長く続けていれば、ちゃんと結果は帰ってくる。そして、この大仕事を終えたらその先輩に言ってやるんだ。あの時のご指導、本当にありがとうございました。おかげさまでここまで仕事ができるようになったんです、と。そしたら私の華麗なる復讐は終了する。なんてね。憎しみだけじゃ飯は食っていけないけど、何かを成し遂げるためには必要なエネルギー。だから、頑張ることをやめない。頑張ることが好きなんだ。

 

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読み返して気づいた、価値観の強制をしない、だね。強制するのは言語道断だねあはは

 


cero - 21世紀の日照りの都に雨が降る_100623