Chapter2

▼胃炎になった。言わずもがな、原因はストレス。日々の無理がたたって身体に支障をきたしている。こういう日は何をしてもうまくいかない日だと割り切り、ぼーっとするようにするように心がける。が、平日ということも相まってか、メールが届いたことを知らせる通知音を聞くたびにメールを読んでしまう、そして手を動かす、はたと気づく、私休んでないんじゃね?

▼「何をそんなに焦っているの?この世には急ぐ必要のあること、これっぽっちもないっていうのに」

先日とある作家さんから、打ち合わせ中にそう言われ、心をどーんと撃ち抜かれたような気分になった。心を撃ち抜かれるって書くと恋に落ちるような瞬間を想像するかもしれないけど、それとは違う、なんていうのかな、心を見透かされたような、そんな気持ちが近いのかな。

その言葉を聞いた瞬間、抜けそうな乳歯みたいにぐらぐらと心は揺れて、泣きそうになった。私ったらなんでこんなにいつも焦ってんだろう?

▼今日こそはこの言葉を思い出す絶好の日ではないか。急ぐ必要なんてない、明日やれることは明日にさせていただきます。