求むGPS

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百発百中レベルでよく道に迷う。待ち合わせ時間に遅れることが怖すぎて、15分で着く場所ですらも1時間かけて出かけるぐらいには方向音痴。例のごとく、つい先日も永田町駅で迷子に。泣きそうになりながら、丸ノ内線の乗り換え場所を探していたら、急に「すみません」とサラリーマン風の男性が話しかけてきた。「え、あ、はい」と動揺しながら答えると、じっと目を見つめながら「道に迷ってますよね?あ、いや、別に迷ってるからって話しかけてるわけじゃなくて、あの、すごく見た目タイプで、ちょっと話しかけちゃって」と息継ぎもせずに冷静な状況判断からの告白。いや、あなたが書道家だったら、見事なまでの一筆書きだねって絶賛したくなるぐらいの、それはまあ自然なフレーズ。あまりにナチュラルすぎて、「ああはい」って返事しちゃったけど、その数秒後に、頭が真っ白になるぐらい動揺しちゃって、駅のど真ん中で、大声で「えーーーー!?!?!!!!」って叫んでしまった。どこがいいの?なんで?こわい!目悪いの?私デブだし…いや、これは壺売られるの?ねえねえねえ!っていう脳内のざわめきをかき消すように、今ある感情をぐっとこらえてサラリーマンに私は、「あたま大丈夫ですか?」と告げて、走るように逃げた。大声を発したのち、好意を伝えてくれた相手の脳内を脈絡もなく心配するお前のほうが頭おかしいだろうと走りながらずっと考えてたけど、私にできることはこれだけだ、もういっぱいいっぱいだった。なんか自慢してるように聞こえてたらごめんなさい。違うの、あまりに動揺して変なこと言っちゃったって思って。ここ見てるわけないけど、あのサラリーマンに謝りたい。ごめんなさい。人からの好意を素直に受け入れられるようになりたいね。ちなみにこの日は15分で家に着くはずの距離を、気づけば2時間かけて帰ってたのだった。